物流業界ニュース

1. はじめに:物流業界における人材確保の転換点

「物流の2024年問題」に代表される深刻な人手不足は、現在の倉庫業界における最重要課題となっています。 こうした背景の中、2026年1月に特定技能制度へ「物流倉庫分野」が追加されることが閣議決定されました。

先日、G.A.グループ株式会社より「倉庫業の特定技能外国人の採用意向に関する調査」という非常に興味深いプレスリリースが発表されました。今回はその調査データを参考に、業界の人材確保が今後どう変わっていくのか、現場のリアルな声をご紹介します。

2. 倉庫業の半数以上が人手不足を実感

同調査の結果から、倉庫業における人手不足の切実な実態が浮き彫りになっています。

  • 倉庫業の経営者の55.7%(「やや感じている」31.5%と「非常に感じている」24.2%の合計)が、自社の倉庫運営において人手不足を感じています。
  • 現在最も人手不足が深刻化している業務の第1位は「ピッキング・仕分け」(41.8%)です。
  • 続いて「積込み・荷下ろし」(40.2%)、「検品・梱包」および「入出庫管理」(同率31.5%)の順に深刻化しています。

3. 特定技能外国人の採用に前向きな理由と期待

2026年6月以降とされる物流倉庫分野への追加に向け、多くの経営者が外国人材の採用に期待を寄せています。

  • 経営者の53.9%(「前向きに検討したい」30.6%と「積極的に採用したい」23.3%の合計)が、特定技能外国人の採用に前向きな姿勢を示しています。
  • 自社の物流現場に期待している効果の第1位は、「繁忙期の人員確保」(42.7%)です。
  • 第2位は「安定的なシフト構築」(42.1%)です。
  • 第3位は「人件費の抑制」(39.3%)となっています。

4. 受け入れに向けた課題と不安の声

採用意欲は高いものの、実際の受け入れ準備には課題も残されているようです。

  • 採用に前向きな経営者のうち、半数以上にあたる50.6%(「情報収集段階」38.2%と「未着手の段階」12.4%の合計)が、受け入れ準備状況についてまだ情報収集・未着手の段階にとどまっています。
  • 特定技能外国人の受け入れに向けて感じている不安の第1位は、「言語・異文化理解の壁」(39.4%)です。
  • 不安の第2位は、「安全管理や事故トラブル時の報連相」(31.5%)です。
  • 不安の第3位は、「外国人材の住環境の整備や生活支援」(27.9%)となっています。

5. まとめ:不安を解消して安定的な人員確保へ

今回の調査データから、倉庫業において特定技能外国人の採用は「繁忙期の人員確保」や「安定的なシフト構築」の有効な解決策として大きな期待を集めていることがわかります。 一方で、「言葉の壁」や「生活支援」といった受け入れ体制への不安から、具体的な準備に踏み切れていない企業も多いのが現状です。

制度の本格的なスタートに向けて、こうした不安をいかに解消し、受け入れ体制を整えていくかが、今後の倉庫業界における成長の鍵となりそうです。