苦労して外国人社員を採用したのに、なぜ突然の退職やトラブルが起きるのか。鍵は「メンタルヘルス」と「孤独」のケアです。受け入れ〜定着でやるべきこと、やさしい日本語・英語の伝え方、制度不安のほどき方を例文とテンプレで整理。今日から使えるチェックリストも掲載します。読み終える頃には、打ち手が見えるはずです。
初めて外国籍社員を受け入れ~孤独とメンタル不調の兆候を見逃さない~
採用側の整理:外国人社員を雇用している会社が感じる外国人社員 メリットと課題
外国人社員の採用を検討するとき、採用担当や現場が最初に押さえるべきは「何を得たいのか(メリット)」と「どこでつまずきやすいのか(課題)」を、感覚ではなく“運用”として整理することです。
ここが曖昧だと、受け入れ後にコミュニケーション不全や孤独感が積み上がり、結果として定着率が下がり離職率が上がります。
会社が感じやすい「メリット」
- 採用難の解消・人材プールの拡大
国内採用だけでは埋まらない職種・スキルを補いやすくなります。 - 多様性による意思決定の質向上
異なる前提や価値観が持ち込まれることで、議論が深まり、改善提案が増えやすいです。 - 海外展開・多言語対応の強化
外国人社員の英語力や他言語対応が、顧客対応・海外取引・海外赴任の設計に活きることがあります。 - 組織文化のアップデート
「暗黙の了解」を言語化する動きが進み、教育・研修・労務管理の標準化が進むケースがあります。
ポイント:メリットは“採用時点”で終わらず、受け入れ〜育成(教育)〜評価まで運用できて初めて成果になります。

会社がつまずきやすい「課題」
- 受け入れ(オンボーディング)不足が、孤独と不安を生む
入社直後は、仕事そのものより「誰に何を聞けばいいか」が分からず孤独になりがちです。
日本語研修・日本語教育の設計、バディ制度、雑談・1on1の仕組みがないと孤立します。 - コミュニケーションの摩擦(言語×文化×評価)
外国人社員 日本語の理解度、外国人社員 英語の運用範囲、呼び方(敬称や距離感)など、細部のズレが誤解を生みます。
「言い換え」や合意形成の型がないと、トラブルが“性格”の問題に見えてしまいます。 - 手続き・制度の不安(ビザ/社会保険/年金/年末調整)
会社側の説明が遅い・難しいと、不安が強くなりメンタル不調の引き金になります。
「何を会社がサポートし、何が本人対応か」を最初に明確化することが重要です。 - 個人情報の扱い(外国人社員リスト運用)
外国人社員リストを作ること自体は管理に有効ですが、収集目的・保管期間・閲覧権限の線引きが曖昧だと、本人の不信感につながります(個人情報保護法の観点でも注意)。 - 退職・帰国時の対応が“炎上ポイント”になる
外国人社員 退職 手続きや帰国前後の案内(年金や年末調整、社会保険など)が不十分だと、最後の印象が悪化し、採用ブランディングにも響きます。

採用側が最初に作るべき「整理フレーム」
採用を決める前に、最低限ここを一枚にまとめると、現場の迷いが減ります。
- 採用目的:何の課題を解くために採用するか(欠員補充/専門スキル/海外対応 など)
- 受け入れ設計:誰がバディか、最初の30/60/90日で何を学ぶか(研修・教育・日本語研修)
- 言語方針:社内公用語、会議・資料・評価面談の言語、言い換えルール
- 制度・手続き:ビザ、社会保険、年金、年末調整、(必要なら)一時帰国 日数の考え方
- メンタル面の支援:相談導線、1on1頻度、孤独を検知するサイン、外部窓口の有無
- 個人情報管理:外国人社員リストの項目、アクセス権、更新・削除ルール
採用目的の例(職種別)
1)IT・エンジニア/データ職(専門職)
- 採用目的:開発スピード向上、専門スキル確保、グローバル標準の開発プロセス導入
- つまずきポイント:仕様の暗黙知、レビュー文化、優先順位付けの「言外の合図」
- 孤独対策の打ち手:
- 仕様は「文章+例+完了条件(Definition of Done)」で明文化
- 週1の1on1+週2の短いチェックイン(5〜10分)
- 会議は要点を日本語/英語どちらかで「箇条書き」共有
2)海外営業/マーケ/CS(対外折衝)
- 採用目的:海外顧客対応、多言語での提案力、海外市場理解
- つまずきポイント:社内決裁プロセス、根回し、関係部署との調整
- 孤独対策の打ち手:
- 「誰が決めるか」「何を合意すべきか」をRACIで共有
- 初月は同席・ロールプレイ(研修)をセットで設計
- チャットの反応が遅い問題を防ぐため、返信SLAを決める(例:当日中)
3)製造/建設/物流(現場系)
- 採用目的:慢性的な人手不足の解消、技能の安定化、シフトの安定運用
- つまずきポイント:安全ルール、指示の曖昧さ、遠慮による「聞けなさ」
- 孤独対策の打ち手:
- 指示は「写真・図・動画+短文(やさしい日本語)」
- バディ固定+始業前の5分確認(体調・不安・当日の要点)
- 相談先を「現場」「人事」「外部」など複線化
4)小売/飲食/宿泊(接客系)
- 採用目的:接客人材確保、インバウンド対応、現場の多言語化
- つまずきポイント:クレーム対応、敬語、ピーク時の連携
- 孤独対策の打ち手:
- 定型フレーズ集(日本語/英語)+「困った時の一言」を配布
- 週1で短い振り返り(良かった点→改善点→次の行動)
- 休憩が孤立ポイントになりやすいので、休憩の取り方もルール化
5)研究・企画・バックオフィス(専門×社内調整)
- 採用目的:専門性の補完、企画力、グローバルな比較・分析
- つまずきポイント:評価基準の不透明さ、資料文化、社内用語
- 孤独対策の打ち手:
- 目標は「成果物」「期限」「判断基準」をセットで合意
- 社内用語のミニ辞書を作る(略語・部署名・会議体など)
- 評価面談は事前に質問を渡し、当日は議事メモを共有
受け入れ30日プラン
Day0〜Day3:不安の“種”を最初に潰す期間
- 人事:社会保険・年金・年末調整の概略、社内ルール、相談窓口(メンタル面含む)を日本語/英語のどちらかで案内
- 上長:役割(Role)・期待(Expectation)・支援(Support)を口頭+文章で共有
- バディ:毎日5分の声かけ(「困ってることある?」より「今日いちばん難しかったの何?」が効く)
Week1:関係性づくり(孤独の一次予防)
- 1on1(30分)を最低1回:業務ではなく「働き方の前提」を揃える
- チーム:雑談のきっかけを作る(歓迎ランチ/自己紹介スライド)
- 研修:日本語研修/日本語教育の必要度を簡易診断(本人の希望も確認)
Week2:仕事の“勝ち筋”を作る(小さな成功体験)
- 小さく完結するタスクを1つ渡し、完了条件を明確化
- レビューは「良い点→改善点→次の一手」で固定フォーマット化
- 会議は「目的/決めること/宿題」を冒頭で明言(言い換え必須)
Week3〜Week4:定着の土台(制度+評価+支援)
- 上長:評価の観点(何を重視するか)を具体例つきで説明
- 人事:困りごとヒアリング(生活・手続き・人間関係)を実施
- チーム:コミュニケーションのルールを合意(返信目安、会議の言語、資料形式)
30日目:振り返り面談(孤独の“芽”を発見する)
- 3つだけ確認:
1)困っていること(業務/人間関係/生活)
2)助けになった支援(誰が/何が)
3)来月やりたいこと(成長目標) - “支援が足りない”サインが出たら、支援を増やす(本人の努力に寄せない)
言い換え例(日本語/英語)
曖昧さを減らす言い換え(指示・依頼)
- 「なるはやで」→「○月○日(JST)17:00までにお願いします」
- EN: “Please send it by 5:00 pm JST on (date).”
- 「適宜対応して」→「Aの場合はB、Cの場合はDにしてください」
- EN: “If A happens, do B. If C happens, do D.”
- 「いい感じにまとめて」→「結論→根拠→次のアクションの順で、箇条書き5行で」
- EN: “Please write it in 5 bullets: conclusion → reasons → next actions.”
合意形成を前に進める言い換え(確認・決裁)
- 「確認してください」→「OKなら“OK”と返信、修正なら“修正点”を1つ以上ください」
- EN: “Reply ‘OK’ to approve, or list at least one change request.”
- 「検討します」→「○日までに可否を回答します」
- EN: “I’ll get back to you with a decision by (date).”
- 「共有しといて」→「Slackの#〇〇に投稿し、関係者@メンションしてください」
- EN: “Post it in #xxx and @mention the stakeholders.”
孤独を生みにくい言い換え(心理的安全性)
- 「何かあったら言ってね」→「困りやすい点を3つ挙げるね。1つでも当てはまったら相談して」
- EN: “Here are 3 common issues. If any apply, please talk to me.”
- 「それ常識だよ」→「うちのチームではこうしている(理由は〇〇)」
- EN: “In our team, we do it this way because …”
「施策紹介パート」(歓迎会・定期面談・相談窓口を中心に、孤独とメンタル面のケア
パーソル総合研究所の調査では、正社員として働く外国人の32.6%が「孤立しているように思う」と回答し、孤独感が強い層ほど仕事のパフォーマンス・会社満足度が低く、転職意向が高い傾向が示されています。さらに「孤独感を低減させる効果が確認できた会社の施策」として、歓迎会の開催(実施率47.6%)、同僚とのコミュニケーション機会の付与(28.4%)、定期的な面談(26.4%)、母国語対応の指導者の配置(18.4%)、相談窓口の設置(12.8%)が挙げられています。ここで重要なのは、いずれも「イベント」や「制度」そのものではなく、“関係性”と“安心して助けを求められる導線”を作る点で共通していることです。パーソル総合研究所
1)歓迎会は「一回やって終わり」ではなく、孤独の一次予防にする
歓迎会は実施率が高い一方で、やり方を間違えると「内輪感」や「疎外感」を強めることもあります。おすすめは、飲み会一発よりも、小さく・複数回・仕事導線とセットで設計することです。パーソル総合研究所
- 初週:少人数のウェルカムランチ(45分)…同じチーム+関係部署を各1名ずつ
- 2〜4週:業務導線の紹介会…「誰に何を聞くか」「決裁・稟議」「暗黙ルール」を説明
- 1〜2か月:フォロー会…困りごとが溜まるタイミングで再接続
ポイントは、本人が話しやすい言語(日本語/英語)に合わせ、話題も「趣味」だけでなく「仕事で詰まりやすい点」を混ぜること。歓迎会を“仲良くなる場”に限定せず、相談先を増やす場に変えると、孤独の芽を早めに摘めます。
2)「同僚とのコミュニケーション機会」は、仕組み化しないと消える
雑談や相談は、忙しくなるほど後回しにされます。だからこそ会社側が、コミュニケーション機会を“自然発生”に任せず、枠として確保します(例:隔週ランチ、週1の15分オンラインコーヒー、チーム横断の勉強会など)。この施策も、孤独感低減に効果が確認された枠組みに含まれています。パーソル総合研究所
特に、外国人社員が組織内で「1人だけ」になりやすい場合は要注意です。パーソル総合研究所の事例では、組織に外国人材が1名だけだと“とても孤独”になりやすいため、最低3名の複数採用が望ましいという示唆もあります(複数採用が難しければ、他部署・他拠点の外国人社員とつなぐ“社内コミュニティ”で代替できます)。パーソル総合研究所
3)定期面談は「評価」ではなく「安心の点検」に寄せる
定期面談も、孤独感低減に効果が確認された施策の一つです。パーソル総合研究所
面談で効くのは、能力評価よりも次の3点を“点検”する質問です。
- 業務の明確さ:何を優先すべきか分かっているか
- 関係性:困ったときに誰に相談するか言えるか
- 心身の状態:睡眠、食欲、疲労、ストレスサインはないか
運用のコツは、最初の1〜2か月は頻度を上げること(例:週1の短時間→月1へ)。そして面談後は「次に何をするか」を合意し、“話して終わり”にしない。この積み重ねが、メンタル不調の早期発見につながります。
4)相談窓口は「ある」だけでは使われない。多言語・匿名・外部連携まで用意する
相談窓口の設置も、効果が確認された施策として挙げられています。パーソル総合研究所
ただし、窓口が機能しない典型は「日本語のみ」「人事に直接は言いづらい」「守秘が不安」の3つ。対策として、社内窓口に加えて、外部の多言語相談先を案内しておくとハードルが下がります。たとえば厚生労働省の「外国人労働者向け相談ダイヤル」は、英語・中国語・ベトナム語など複数言語で労働条件等の相談を受け付けています(曜日・時間は変更される場合があるため最新情報を参照)。Check Roudou+1
会社ができる最小セットは、
- 社内:人事(守秘のルール明記)+現場(上長以外の選択肢)
- 社外:EAP/カウンセリングまたは公的相談先の案内
を**“選べる形”**で提示することです。
5)日本語研修は「語学」より「職場で孤独にならない会話力」を狙う
最近の調査でも、周囲が外国籍社員の孤独感を懸念し、その要因として「暗黙のルールへの適応」や「日本語でのコミュニケーションの壁」が挙げられています。また、日本語力・日本語コミュニケーションスキル向上の研修充実が、孤独感軽減や離職防止につながると「非常にそう思う(28.1%)」「ややそう思う(53.4%)」が示され、合計で8割超が肯定しています。Bizmates
ここでの研修は、N1/N2の勉強というより、
- 断り方/相談の切り出し方
- 報連相の型、確認質問のテンプレ
- 「空気を読む」を前提にしない言い換え
など、仕事で孤独にならないための実践スキルに寄せると効果が出やすいです。
歓迎会(初週・1か月・3か月)運用チェック表
歓迎会は「仲良くなる会」よりも、**“相談相手が増える会”**として設計すると、孤独の一次予防になります。飲み会固定にせず、小さく・短く・複数回が基本です。
① 初週:ウェルカムランチ(45〜60分)チェック表
- □ 参加者は**少人数(4〜6人)**にする(内輪感を避ける)
- □ メンバー構成:同じチーム2〜3名+関係部署1名+バディ1名
- □ 言語方針:日本語/英語どちらで話すか事前に共有(混在でもOKだが「置いていかない」)
- □ お店選定:宗教・食文化(豚肉/牛肉/ハラール/ベジ等)やアレルギーに配慮
- □ 話題カードを用意(例)
- 「困ったとき、誰に何を聞けばいい?」
- 「この会社の“略語”で分かりにくいものは?」
- 「仕事で助けてほしい時、どう伝えるのが一番いい?」
- □ NG話題を共有(国籍・政治・宗教の価値判断、プライベートの深掘り、飲酒強要)
- □ 終了時に“次の接点”を確定(例:来週10分チェックイン、次回ランチ日程)
② 1か月:業務導線の紹介会(30〜45分)チェック表
- □ テーマを固定:「誰が決めるか」「どう進めるか」「どこで詰まりやすいか」
- □ 具体物を見せる:稟議・チケット・議事録・レビューコメントの例
- □ “暗黙ルール”を言語化:返信目安、会議の時間厳守、根回しの位置づけ
- □ 役割の再確認:期待値(Expectations)と支援(Support)を更新
- □ 参加後アンケート(1分)で「分からない点」を回収
③ 3か月:フォロー会(30分)チェック表
- □ “孤独の芽”チェック:相談相手が社内に何人いるか(目標:3人)
- □ 仕事の詰まりを棚卸し:用語、資料、意思決定、顧客対応
- □ 日本語研修/日本語教育の方向性を再調整(語学より「職場で使う会話」へ)
- □ 次の90日目標を合意(成果物・期限・判断基準を明確に)

定期面談の質問10個(日本語/英語の併記例)
面談は「評価面談」ではなく、安心の点検として運用すると、メンタル不調の早期発見・孤独予防に効きます。
(コツ:質問は“抽象”→“具体”の順、最後は必ず「次に何をするか」で締める)
- 今週(今月)、一番うまくいったことは何ですか?
EN: What went best this week (this month)? - 逆に、一番むずかしかったこと/ストレスだったことは何ですか?
EN: What was the hardest or most stressful part? - 今の優先順位(最重要タスク)は、理解できていますか?不明点はありますか?
EN: Are the priorities clear? Any unclear points? - 仕事の進め方で、会社の“暗黙ルール”が分かりにくいところはありますか?
EN: Are there any “unspoken rules” that are confusing? - 相談するとき、誰に連絡していますか?(すぐ名前が出ますか?)
EN: Who do you usually ask for help? (Can you name them easily?) - チーム内で、話しかけやすい/話しかけにくい場面はありますか?
EN: When is it easy or hard to talk to the team? - 言語面はどうですか?日本語/英語で困る場面は具体的にありますか?
EN: How is the language situation? Any specific difficulties in Japanese/English? - 最近、睡眠・食欲・疲れはどうですか?(0〜10で言うと何点?)
EN: How are your sleep, appetite, and fatigue lately? (0–10 score?) - 職場以外で孤独を感じる瞬間はありますか?会社として助けられることは?
EN: Do you feel lonely outside work? How can the company support you? - 次の2週間で、会社(上長/人事/バディ)がやるべきことは何ですか?
EN: What should we (manager/HR/buddy) do in the next two weeks?
面談の締めテンプレ(日本語/英語)
- JP: 「今日決めたことは、①〜 ②〜 ③〜 です。次回までに私は〜をやります。」
- EN: “Today we agreed on (1)… (2)… (3)… I will do … before our next meeting.”
相談窓口の社内掲示文例
「窓口がある」の告知だけだと使われません。守秘・評価への影響なし・相談の選択肢を明記して、心理的ハードルを下げます。
① 通常版(日本語)
【相談窓口のご案内:仕事・生活・こころの不調を一人で抱えないために】
外国人社員を含むすべての社員が安心して働けるよう、相談窓口を設けています。
仕事内容、人間関係、体調、生活の不安(手続き・制度のこと)など、どんな内容でも構いません。
- 相談できること:業務の困りごと/人間関係/ストレス・不眠などの不調/生活・手続きの不安
- 相談先(選べます):①人事窓口 ②上長以外の社内担当 ③外部相談(会社提携 or 公的相談窓口の案内)
- 守秘:相談内容は原則として守秘します。本人の同意なく関係者へ共有しません(緊急時は安全確保を優先します)。
- 評価:相談したことが人事評価や処遇に不利に働くことはありません。
- 連絡方法:メール/チャット/予約フォーム(※社内URL)
- 対応言語:日本語/英語(必要に応じて通訳・翻訳の手配を検討します)
「何をどう説明したらいいか分からない」状態でも大丈夫です。まずは一言、連絡してください。
② やさしい日本語版
【そうだん できます】
しごと、にんげんかんけい、からだ、こころのこと。ひとりで なやまないでください。
だれでも そうだん できます(がいこくじん しゃいん も OK)。
- そうだん できる:しごと/なやみ/ストレス/ねむれない/せいかつ/てつづき
- そうだん さき(えらべます):①じんじ ②べつの たんとう ③そと(がいぶ そうだん)
- ひみつ:あなたの きょか なしに、ほかの ひとに いいません(きけん なときは たすけます)
- ひょうか:そうだん しても、ふりに なりません
- れんらく:メール/チャット/よやく(※社内URL)
- ことば:にほんご/えいご(ひつようなら てつだいます)
わからなくても OK。みじかく そうだん してください。
③ English version
【Support Desk: You don’t have to handle it alone】
We provide a support desk for all employees, including international employees.
You can talk to us about work issues, relationships, stress, sleep problems, or concerns about daily life and procedures.
- Topics: work concerns / relationships / stress & mental health / sleep issues / life & administrative concerns
- Options: (1) HR (2) Internal contact (not your direct manager) (3) External support (company program or public resources)
- Confidentiality: We keep your information confidential and do not share it without your consent (except for safety emergencies).
- No disadvantage: Using this support will not negatively affect your performance evaluation.
- How to contact: email / chat / booking form (internal URL)
- Language: Japanese / English (interpretation support may be arranged if needed)
Even if you’re not sure how to explain your situation, just reach out.
定期面談の議事録テンプレ(1枚)
※外国人社員の「メンタルヘルス/孤独」をケアする目的なので、評価・査定の話は切り分け、このシートは「安心の点検」と「次の打ち手」に集中します。
【1on1 / 定期面談メモ】(安心の点検用)
- 実施日:__年_月_日(_)
- 時間:_:_〜_:_(__分)
- 実施形式:対面/オンライン
- 言語:日本語/英語(必要なら通訳:有/無)
- 参加者:本人____/上長____/同席(人事・バディ等)____
- 守秘の範囲:原則守秘/共有する場合は本人同意(例外:安全確保が必要な緊急時)
1)今週(今月)の状況(事実)
- うまくいったこと(Good):
- ____________________
- つまずいたこと(Challenges):
- ____________________
- 今の優先順位(Top priorities):
- ①____ ②____ ③____
2)孤独・メンタル面のチェック(軽量)
- 体調(0〜10):_
- 疲労(0〜10):_
- 睡眠(0〜10):_
- ストレス(0〜10):_
- 「職場で相談できる人」:__人(目標:3人)
- 最近、孤独を感じた瞬間(あれば):____________
サイン欄(上長・人事メモ):表情/反応速度/遅刻欠勤/業務ミス増/孤立など
____________________
3)困りごとの整理(原因を“個人”に寄せない)
- 困りごと(What):____________________
- どこで起きる?(When/Where):会議/チャット/資料/現場/評価面談/その他__
- 何が壁?(Why):日本語/英語/暗黙ルール/意思決定/業務量/人間関係/制度(年末調整・社会保険・年金等)
- いま試したこと(Tried):____________________
- 次に試したいこと(Next try):____________________
4)合意したアクション(誰が・いつまでに)
- 本人(Employee):
- ①____(期限:_/_)
- ②____(期限:_/_)
- 上長(Manager):
- ①____(期限:_/_)
- ②____(期限:_/_)
- 人事/バディ/関係部署(Support):
- ①____(期限:_/_)
- ②____(期限:_/_)
5)必要な支援(サポートの具体)
- 日本語研修/日本語教育:要/不要(希望:____)
- コミュニケーション支援:会議要約/議事録/やさしい日本語/英語併記/ロールプレイ
- 相談窓口(社内/外部):案内済/未案内(次回案内する:はい/いいえ)
- 制度説明(年末調整/社会保険/年金/ビザ等):必要/不要
6)次回予定
- 次回日程:__年_月_日(_)_:_〜
- 次回の確認テーマ(予告):____________________
やさしい日本語の社内用語ミニ辞書テンプレ
※目的:外国人社員が「聞けない」「分からない」を減らし、孤独を予防する。
※コツ:略語・会議体・決裁・人事制度から埋めると効きます。
| 用語(日本語) | よみかた | やさしい日本語の説明(短く) | English | 例文(日本語) | 使う場面/場所 | 担当(Owner) | 更新日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 例:稟議 | りんぎ | お金や予定を決める前に、会社にOKをもらう手続き | approval request | 稟議を出してから発注します | 経費/購買 | 経理 | 2026// |
| 例:報連相 | ほうれんそう | 進み具合を「報告・連絡・相談」すること | report / share / ask | 困ったら早めに報連相してね | 日常業務 | 部門 | 2026// |
| 例:SLA | えすえるえー | 返事の目安時間(ルール) | service level agreement | チャット返信SLAは当日中です | チャット | チーム | 2026// |
辞書に入れると効果が高いカテゴリ(追加欄)
- 部署名・略称:____
- 会議体:____(例:週次、月次、定例、経営会議)
- 決裁・手続き:____(例:稟議、稼働申請、購買フロー)
- 人事・労務:____(例:年末調整、社会保険、年金、評価、等級)
- ツール:____(例:Slack、Teams、Jira、kintone など)
「困ったときの一言」フレーズ集(日本語/英語)
※方針:短く・丁寧に・目的が伝わる。
※外国人社員向け/日本人側の言い換えにも両方使えるようにしています。
1)聞き返す・確認する
- JP:すみません、もう一度ゆっくり言ってください。
EN: Sorry, could you say that again slowly? - JP:確認です。いまの理解は___で合っていますか?
EN: Just to confirm—am I understanding correctly that ___? - JP:これは「いつまでに」「何を」「どの形で」出せばいいですか?
EN: What exactly do you need, by when, and in what format?
2)優先順位をそろえる
- JP:優先順位を確認したいです。いちばん大事なのはどれですか?
EN: I’d like to confirm priorities. Which one is the top priority? - JP:AとBが同時に難しいです。どちらを先にしますか?
EN: It’s hard to do A and B at the same time. Which should I do first? - JP:今日中に必要ですか?それとも明日でも大丈夫ですか?
EN: Do you need it today, or is tomorrow okay?
3)助けを求める(孤独を減らす言い方)
- JP:少し助けてください。10分だけ相談できますか?
EN: Could you help me for 10 minutes? - JP:ここが分からなくて止まっています。どこを見ればいいですか?
EN: I’m stuck here. Where should I look / who should I ask? - JP:誰に聞くのが一番いいですか?担当者を教えてください。
EN: Who is the best person to ask? Could you point me to the owner?
4)依頼する(角が立たない頼み方)
- JP:___を手伝ってもらえますか?期限は_/_です。
EN: Could you help with ___? The deadline is (date). - JP:この資料をチェックして、修正点を3つまでください。
EN: Could you review this and give me up to 3 change requests? - JP:OKなら「OK」と返信、修正ならコメントをお願いします。
EN: Please reply “OK” to approve, or leave comments for changes.
5)断る・押し返す(関係を壊さない)
- JP:いま難しいです。代わりに___ならできます。
EN: It’s difficult right now. But I can do ___ instead. - JP:期限に間に合わない可能性があります。期限を延ばせますか?
EN: I might not make the deadline. Can we extend it? - JP:優先順位を変える必要があります。何を止めればいいですか?
EN: I need to reprioritize. What should I pause or stop?
6)会議で置いていかれないために
- JP:すみません、結論は何ですか?(決めたことは?)
EN: Sorry—what is the conclusion / decision? - JP:次のアクションは誰が何をしますか?
EN: Who will do what as next actions? - JP:議事録(メモ)を共有してもらえますか?
EN: Could you share the meeting notes?
7)トラブル・誤解が起きたとき
- JP:誤解があったかもしれません。事実を整理したいです。
EN: There may have been a misunderstanding. I’d like to align on the facts. - JP:私の意図は___です。どう聞こえましたか?
EN: My intention was ___. How did it come across to you? - JP:次からは___の形で共有します。これで大丈夫ですか?
EN: From next time, I’ll share it in ___ format. Does that work?
8)体調・メンタルの不調を伝える(安全な表現)
- JP:最近少し疲れています。負荷を調整できますか?
EN: I’ve been feeling quite tired lately. Can we adjust my workload? - JP:体調が良くないので、今日は早めに休みたいです。
EN: I’m not feeling well, so I’d like to rest early today. - JP:相談窓口(人事/外部)を使いたいです。案内してください。
EN: I’d like to use the support desk (HR/external). Could you guide me?
9)制度・手続き(年末調整/社会保険/年金/ビザ)で困ったとき
- JP:この手続きは、会社がサポートしますか?本人がしますか?
EN: Does the company support this procedure, or should I do it myself? - JP:必要な書類と締切を教えてください。
EN: Could you tell me the required documents and deadline? - JP:日本語が難しいので、やさしい日本語/英語で説明できますか?
EN: Japanese is difficult for me—could you explain in simple Japanese/English?
まとめ
外国人社員の「メンタルヘルス」と「孤独」は、本人の性格や努力だけで解決できる問題ではありません。むしろ、受け入れ設計(オンボーディング)・コミュニケーションの型・制度説明の分かりやすさ・相談導線といった「職場のつくり方」で大きく左右されます。採用側がメリット(採用母集団の拡大、多様性による改善、海外対応力の強化など)を確実に成果へつなげるには、同時に課題(言語の壁、暗黙ルール、制度不安、孤立、トラブル、退職リスク)を“運用”として潰していく必要があります。
この記事で紹介した施策の要点は、次の4つに集約できます。
- 孤独は「関係性の不足」から生まれる
歓迎会を一回で終わらせず、少人数・複数回で「相談相手を増やす場」にする。バディや短いチェックインで、孤独の芽を早期に摘む。 - 言葉の壁は「やさしい言語設計」で越えられる
やさしい日本語、英語併記、言い換え、会議の目的・決めること・宿題の明文化。伝え方の標準化が、誤解とストレスを減らす。 - 制度不安は“安心の敵”
年末調整・社会保険・年金・ビザなどは、分からないまま放置されやすく、心の負担になりがち。会社がサポートする範囲を明確化し、定期ガイダンスで繰り返し伝える。 - 相談窓口は「ある」より「使える」ことが重要
守秘・評価への影響なし・多言語・外部連携まで含めて、本人が選べる導線を作る。個人情報の扱いも最小化し、安心感を壊さない。
最後に、今日から始めるなら“完璧な制度”よりも、次の3ステップがおすすめです。
- 定期面談を回す(議事録テンプレで「安心の点検」)
- 用語辞書を10語だけ作る(暗黙ルールの言語化)
- 困ったときの一言フレーズ集を共有する(相談・確認を習慣化)
この3つが動き出すと、外国人社員の孤独が軽くなり、結果としてメンタル不調の予防、トラブルの減少、定着率の改善につながります。採用を「入れること」で終わらせず、「安心して働き続けられる状態を設計すること」までを採用側の仕事として捉える――それが、外国人社員と共に成果を出す組織づくりの近道です。
外国人社員の定着を左右するのは、語学力だけでなく「孤独を生まない職場設計」です。
採用後すぐの受け入れ(オンボーディング)で居場所を作り、バディ制度と定期1on1で悩みを早期に拾う。やさしい日本語/英語の言い換え+日本語研修、ビザ・年末調整・社会保険・年金など制度不安の見える化、相談窓口と個人情報保護法に沿った運用をセットで整えれば、トラブルや早期退職を防ぎ、メリットを成果に変えられます。今日から面談テンプレ・用語辞書・フレーズ集を回しましょう。