2026年1月5日、出入国在留管理庁の在留申請オンラインシステムがリニューアルされました。外国人材を多く雇用する企業ほど、在留資格の変更・更新・定期報告といった手続きの頻度が高く、このシステムの使い勝手は実務の負担に直結します。本記事では、新システムの主な変更点と、企業が活用するメリットを整理します。
在留申請オンラインシステムとは
出入国在留管理庁が提供する、在留資格の変更・更新、就労資格証明書の交付申請、各種届出などをインターネット経由で行えるシステムです。従来は窓口での申請が基本でしたが、オンライン化により、地方入国管理局の窓口に出向くことなく手続きができるようになっています。特定技能のように添付書類が非常に多い在留資格では、オンライン申請によるメリットが特に大きいとされています。
2026年1月のリニューアルで変わった主な点
IDの有効期限が3年に
利用者IDの有効期限が延長され、3年間有効になりました。以前は有効期限がより短く、頻繁な更新作業が必要でしたが、この変更により、継続的にシステムを利用する企業・登録支援機関の管理負担が軽減されます。
定期報告のオンライン化
特定技能の受入れ機関には、受入れ状況に関する定期的な届出(四半期ごとの報告など)が義務付けられています。この定期報告についても、新システムでオンライン提出が可能になりました。紙での提出・郵送の手間が減り、提出漏れの管理もしやすくなります。
添付ファイルの容量が最大25MBに拡張
これまで添付できるファイルの容量には制限があり、決算書・雇用契約書・在籍証明書など大量の書類を扱う企業では、ファイルを分割してアップロードしたり、別送したりする手間が発生していました。新システムでは容量上限が最大25MBまで拡張され、まとめてアップロードしやすくなっています。
入力画面が紙の申請書に近い構成に
入力画面の項目構成が見直され、原則として紙の申請書と同一の項目・順序になるよう調整されました。また、金額を入力する欄の単位が「円」に統一されるなど、記載ミスを防ぐための細かい仕様変更も行われています。紙の申請書に慣れている担当者にとっても、迷いにくい画面構成になったといえます。
企業がオンラインシステムを活用するメリット
時間・場所の制約からの解放
窓口へ出向く必要がなくなることで、申請にかかる移動時間や待ち時間が削減されます。複数の事業所・拠点で外国人材を雇用している企業にとっては、拠点ごとに担当者が窓口対応する必要がなくなる点も大きなメリットです。
特定技能の受入れ機関にとってのメリットが大きい
特定技能は他の在留資格と比べて添付書類の種類・分量が多いため、オンライン化によって最も恩恵を受けやすい在留資格のひとつとされています。定期報告のオンライン化とあわせて、特定技能人材を多く雇用する企業ほど、業務効率化の効果を実感しやすいでしょう。
進捗管理のしやすさ
オンラインシステム上で申請状況を随時確認できるため、紙の申請と比べて進捗の把握がしやすくなります。複数の外国人材の申請を同時並行で管理している企業では、この点も実務上のメリットとして大きく感じられるはずです。
企業が導入・活用する際の注意点
利用登録・ID管理のルール整備
複数の担当者がオンラインシステムを利用する場合、IDの管理方法や引き継ぎのルールを社内で明確にしておく必要があります。IDの有効期限が3年に延長されたとはいえ、担当者の異動時に引き継ぎ漏れが起きないよう注意しましょう。
登録支援機関・行政書士との役割分担
オンライン申請の実務を登録支援機関や行政書士に委託している企業も多くあります。新システムへの移行にあわせて、委託先とのデータ共有方法や、誰がどの手続きを担当するかを改めて確認しておくとスムーズです。
従来の紙申請との併用可否の確認
案件によっては、引き続き紙での申請が必要となる場合もあります。すべての手続きがオンラインに一本化されたわけではない点を踏まえ、対象となる手続きの範囲を事前に確認しておくことをおすすめします。
よくある質問
Q. オンラインシステムの利用には特別な資格が必要ですか?
利用者登録を行えば、企業の担当者自身が申請することも、行政書士等の代理人が申請することも可能です。ただし、操作に不安がある場合や案件数が多い場合は、専門家に依頼したほうが結果的に効率的なケースもあります。
Q. 定期報告のオンライン化で何が変わりますか?
これまで紙や別の方法で提出していた四半期ごとの受入れ状況報告を、オンラインシステム上で完結できるようになりました。提出履歴もシステム上で確認できるため、過去の報告内容の管理がしやすくなります。
Q. システムのリニューアルにあわせて操作方法も大きく変わりましたか?
入力画面の項目構成が紙の申請書に近づけられたことで、従来からの利用者にとっても大きな戸惑いなく移行しやすい設計になっています。とはいえ、初めて利用する担当者は、出入国在留管理庁が提供するマニュアルや操作ガイドを事前に確認しておくとスムーズです。
手続きのデジタル化は今後も進む見通し
在留申請オンラインシステムのリニューアルは、行政手続き全体のデジタル化という大きな流れの一部です。今後も対象手続きの拡大や、ユーザーインターフェースの改善が継続的に行われていくことが見込まれます。外国人材を継続的に雇用する企業にとっては、一度使い方を覚えて終わりにするのではなく、制度改正のたびに最新の運用方法をキャッチアップし続ける姿勢が、長期的な業務効率化につながります。
まとめ
– 2026年1月5日、在留申請オンラインシステムがリニューアルされ、ID有効期限の3年化・定期報告のオンライン化などが実現した
– 添付ファイル容量が最大25MBに拡張され、入力画面も紙の申請書に近い構成に改善された
– 添付書類が多い特定技能の受入れ機関にとって、特にメリットが大きいとされる
– 時間・場所の制約軽減、進捗管理のしやすさが企業側の主なメリット
– ID管理のルール整備、登録支援機関等との役割分担の確認が導入時の実務ポイントになる
参考
– 東海中小企業支援事業協同組合「在留資格オンライン申請の完全ガイド|利用方法・審査期間・2026年最新の注意点を解説」https://tbsa.or.jp/online-visa-application/
– 京都ビザ申請相談室「【2026年1月5日開始】新在留申請オンラインシステム稼働|ID有効期限3年化・定期報告オンライン化などを解説」https://visa.katsumi-office.com/column/change/
– 出入国在留管理庁「在留申請オンラインシステム」https://www.ras-immi.moj.go.jp/
– 出入国在留管理庁「特定技能制度」https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/tokutei_index.html