物流業界の「2024年問題」や慢性的な人手不足が叫ばれる中、解決策の一つとして注目されているのが「外国人ドライバー」の採用です。自動車運送業が「特定技能制度」の対象に追加されてから1年以上が経ちましたが、実際の現場では受け入れは進んでいるのでしょうか?
今回は、G.A.グループ(東京都渋谷区)が運送業の経営者を対象に実施した「外国人ドライバーの受け入れ体制に関する調査」の結果をもとに、運送業界のリアルな現状と課題をわかりやすく解説します。
💡 この記事のポイント(まとめ)
- 運送業の半数以上(54.5%)が「人手不足」を実感中
- 一方で、外国人ドライバーの受け入れ体制が「未整備」な企業は73.6%に上る
- 受け入れられない理由は「日本語や免許の壁」「教育ノウハウ不足」「私生活のサポート難」
- 約3割の企業は採用に前向き。今後は「受け入れノウハウの構築」がカギに
1. 運送業の半数以上が「人手不足」に悩んでいる
今回の調査(自動車運送業の経営者303人が対象)によると、現在の人員状況について「やや不足している(36.3%)」「非常に不足している(18.2%)」と回答した企業が合計で54.5%に上りました。
半数以上の企業がドライバー不足に頭を抱えており、業界全体で労働力確保が急務であることが改めて浮き彫りになっています。
2. なぜ進まない? 7割超が「受け入れ体制が未整備」
特定技能制度の対象に運送業が追加され、外国人ドライバーの採用ルートは以前より広がりました。しかし、驚くべきことに73.6%の企業が「受け入れ体制が未整備」と回答しています。制度開始から1年が経過しても、現場の体制づくりは追いついていないのが実情です。
体制が整っていない主な理由として、以下の3つが挙げられています。
- 人材確保のハードル(28.3%) 「日本語能力や日本の運転免許要件を満たす人材が見つからない」
- 教育・指導の不安(27.4%) 「受け入れや業務を教えるためのノウハウがない」
- 生活面でのサポート不足(26.9%) 「住居や私生活のトラブルなどをサポートできる体制がない」
運転技術だけでなく、「日本語でのコミュニケーション」や「日本の交通ルールの理解」、さらには「異国での生活支援」まで企業側が担う必要があり、これが大きな壁となっているようです。
3. 採用に「前向き」な企業も約3割存在
課題は山積みですが、決して後ろ向きな意見ばかりではありません。 今後の外国人ドライバーの採用について、「積極的に採用したい(8.6%)」と「条件が合えば採用したい(23.4%)」を合わせると、計32.0%の企業が採用に前向きな姿勢を示しています。
人手不足を解消する有効な一手として、外国人材に期待を寄せる経営者も確実に増えてきています。
まとめ:これからの運送業に求められるものとは?
今回の調査結果から見えてきたのは、「外国人を採用したい(採用せざるを得ない)が、どう育ててサポートすればいいか分からない」という物流現場のジレンマです。
今後は、個々の企業が手探りで体制を作るだけでなく、外部の支援サービスを活用したり、業界全体で「外国人ドライバーの教育・生活支援ノウハウ」を共有したりする仕組みづくりが求められそうです。
外国人ドライバーが日本の物流を支えるインフラの一部として活躍できる日は来るのか。今後の業界の動きに注目です!
参考・出典: 外国人ドライバー受け入れ、7割超が未整備(LOGISTICS TODAY / 2026年9月30日公開) https://www.logi-today.com/1005266