登録支援業務

特定技能1号の外国人を受け入れる企業や登録支援機関にとって、外国人本人とその監督者に対する「定期面談」は重要な支援義務の一つです。定期届出が年1回に変更された後も、定期面談は引き続き「3か月に1回以上」の実施が求められています。

本記事では、面談の対象者や確認事項といった基本ルールから、要件化されているオンライン面談の条件、さらには面談を実施しなかった場合のリスクまで、押さえておくべきポイントを網羅して解説します。

1. 定期面談の基本ルール(誰が、誰と、いつ?)

定期面談において特に注意すべきは「外国人本人と面談して終わりではない」という点です。

  • 実施者:支援責任者または支援担当者
  • 対象者:①特定技能外国人本人 + ②その監督者(直属の上司や派遣先監督者など)
  • 頻度:それぞれ3か月に1回以上

2. 面談での確認内容と通訳の活用

面談では、労働状況や生活環境に問題がないか、法令違反や困りごとを早期に把握することが目的です。

  • 主な確認項目:実際の業務内容と契約の相違、給与・残業・休日、職場の人間関係やハラスメント、住居や体調、医療機関の利用状況など。
  • 通訳の同席について:面談は本人が十分に理解できる言語で行う必要があるため、通訳人(外部委託も可)の同席が認められています。ただし、面談の主体はあくまで「支援責任者・担当者」であり、通訳人だけに面談を丸投げすることはできません。

3. オンライン面談を導入するための7つの条件

定期面談は、一定の要件を満たすことでオンラインでの実施が可能です。以下のルールを遵守する必要があります。

  1. 双方の同意を得る 外国人本人(指定の支援計画書への署名等で確認)と監督者、それぞれの同意が必須です。企業の同意だけで本人の同意に代えることはできません。
  2. 互いの表情が確認できるシステムを使う オンライン会議やテレビ電話など、顔が見えるツールが必要です。音声通話のみ、カメラオフ、メールやアンケートのみでの実施は不可です。
  3. 録画し、長期保存する 面談の様子は録画し、「特定技能雇用契約の終了の日から1年以上」保存する義務があります。音声録音や議事録だけでは要件を満たしません。
  4. 問題が疑われる場合は対面に切り替える 業務内容や待遇に問題がある疑いや、面談への第三者の介入(監視など)が疑われる場合は、直ちに「対面」での面談に切り替える必要があります。
  5. 支援責任者・担当者が実施する オンラインであっても、通訳人任せにせず必ず支援担当者が直接やり取りを行います。
  6. 実施頻度・対象・報告義務は変わらない オンライン化しても「3か月に1回、本人と監督者の双方に実施し、報告書を作成する」という基本義務は対面時と同じです。
  7. 支援計画の変更届出は不要 面談をオンラインに切り替えるだけの理由で変更届を出す必要はありませんが、同意を得た書面は帳簿書類として保存する義務があります。

4. 「対面」での実施が推奨・義務となるケース

オンライン面談が解禁されているとはいえ、以下のタイミングでは対面での実施が望ましい(または必須)とされています。

  • 対面が望ましい(推奨)ケース
    • 受入れ後の初回面談
    • 面談担当者が変更された後の初回面談
    • オンライン面談を継続している場合の「1年に1回」の面談
  • 対面が必須(義務)となるケース
    • 本人が対面を希望した場合
    • オンライン面談中に問題や第三者の介入が疑われた場合

5. 報告書の作成とトラブル発覚時の対応

面談実施後は、外国人本人用(参考様式第5-5号)と監督者用(参考様式第5-6号)の定期面談報告書をそれぞれ作成し、記録を保存します。 もし面談を通じて「賃金不払残業」などの労働関係法令違反や重大なトラブルが発覚した場合は、報告書に記録するだけでなく、労働基準監督署や関係行政機関へ速やかに通報する義務があります。

6. 面談を実施しなかった場合のリスクと対処法

定期面談を怠った場合、義務的支援の未実施とみなされ、入管による指導や「登録支援機関の登録取消し」といった重い処分に発展する可能性があります。

万が一、実施漏れが判明した場合は以下の対応が必要です。

  • 速やかな届出:実施困難を認知した日から14日以内に「支援計画の実施困難に係る届出」や理由書を管轄の入管へ提出します。
  • 事後対応:速やかに日程調整を行い、面談を実施します。その際、未実施の理由や経緯を正確に記録し、再発防止策(スケジュール管理の見直しなど)を講じます。

「実施日をさかのぼって記録する」「架空の報告書を作成する」などの虚偽報告は絶対に行ってはいけません。期限を過ぎてしまった場合でも放置せず、事実に基づいて入管へ事情を説明し、誠実に対応することが重要です。

定期面談は、外国人材が日本で不当な扱いを受けることなく、心身ともに健康で働き続けるための重要なセーフティネットです。オンラインの利便性を活用しつつも、相手の些細な変化を見逃さない丁寧なサポート体制を構築していきましょう。